シャンプーのしかた
シャンプーは髪と地肌の洗浄を目的としています。 また、シャンプーには揉みこみによるマッサージ効果もありますが、
ここでは洗浄のためのシャンプーに限定して、湯温と洗剤について考察することにします。 洗浄の対象となる"よごれ"は、大きく分けて2種類に分類されます。
a ---- 髪につく汚れ (ホコリ、スタイリング剤、スプレー、ワックス、ジェルなど)
b ---- 地肌の汚れ (皮脂、老化角質など )
a,b,どちらも時間とともに不衛生になるという共通点がありますが、それぞれの特質(使っているスタイリング剤の違いや体質)とまわりの環境の違い(季節の違いや地域の違い)から見えてくることがあります。
実験-1
体温以下の低温水(約20℃)で汚れた髪(備考参照)を流してみます。
もみこみをせずにシャワーで流すのみにとどめることにします。
a--- 髪についた汚れ ----- やや溶ける(30%程度)
b--- 地肌の汚れ --------- あまり溶けない(10%以下)
実験-2
体温以上~浴槽内の湯温 (およそ38℃~42℃)ではどうでしょう。
もみこみせずにシャワーで流すのみにとどめることにします。
a--- 髪についた汚れ ----- ほとんど溶ける(90%程度)
b--- 地肌の汚れ --------- ほとんど溶ける(90%程度)
実験-3
シャンプー剤を付けて3分放置後同じ実験(湯温38℃~42℃)をする。
もみこみせずにシャワーで流すのみにとどめることにします。
a--- 髪についた汚れ ----- ほとんど溶ける(90%以上)
b--- 地肌の汚れ --------- ほぼ溶ける(90%以上)
実験-4
トリートメントを付けて3分放置後同じ実験(湯温38℃~42℃)をすると、
どうでしょう。 もみこみせずにシャワーで流すのみにとどめることにします。
a--- 髪についた汚れ ----- ほとんど溶ける(90%以上)
b--- 地肌の汚れ --------- ほぼ溶ける(90%以上)
実験-5
さらにクシを通してみます。
a--- 髪についた汚れ --- ほとんど溶ける(90%以上)--- クシは通る。
b--- 地肌の汚れ ----- ほぼ溶ける(90%以上)----- クシは通る。
実験-6
実験-3の状態で、クシを通してみます。
a--- 髪についた汚れ -- ほとんど溶ける(90%以上)- クシは通りにくい。
b--- 地肌の汚れ -- ほぼ溶ける(90%以上)----- クシは通りにくい。
実験-7
今度はシャンプー剤を付けた髪・C とトリートメントを付けた髪・D で洗面台にお湯(38℃)をためてその中でクシを通してみましょう。
C-シャンプーが付いている髪-クシ通りが悪い-髪、地肌共に10%以下の残留
D-トリートメントが付いている髪-クシ通りがよい-髪、地肌ともに残留はない。
さて、この実験で次のことがわかりました。
確認-1 : 皮脂は水温度によって流れない(洗浄されない)事がある。
確認-2 : クシ通りの良さが残留物をなくす。
この二つの結果から、髪の毛にとっては高温度ですすぐことと、トリートメントとクシを使って流すことが、本当の洗浄につながる事が判りました。
しかし、地肌内部には皮脂が蓄積しているわけですから、別途洗浄することが肝心です。
季節や体調によって皮脂の分泌量が変わりますから、シャンプー時の湯温を工夫することで快適な地肌を保持することができます。
さらに好きな香りを残留させたいときには、少しぬるめのお湯ですすぐことで、長い時間香りを楽しめます。
けがをしてシャンプーができない方は、湯温の調節とクシの使い方で少しでも快適な状態に近づける事が出来そうです。
この結果をいろいろ組み合わせることで、少しでも快適に過ごしていただければさいわいです。
--- 備考 ----
この実験はある美容室で数年前に行いました。
付着を確認するために染毛剤を髪と地肌に塗布後ティッシュで拭きとった状態から始めました。
残留物などの数値はあいまいですが、おおよそ実態に添ったものと確信しています。
使用シャンプー・トリートメントは一般消費される製品であり、特定の成分や添加物を使わずに行っています。
水温は体感ですが、少なくとも皮膚にやけどや凍傷が起こらない範囲のものです。
クシ通りがよい クシ通りが悪い の判断は、大きな力を加えずに一回でクシが通るか否かで判断します。
当ラボでは、様々な実験やサロンでの事例をあわせていろいろな観点から報告を積み重ねてていきたいと思っております。
たとえば、オイルの親和性と浸透性について、肉眼では見えない事例を、判りやすい確認方法を踏まえて解説することやクシの通り易さが、髪のつやに関与する事、さらに毛穴に皮脂がたまると毛が抜けるってほんと? など普段何気なく認めてしまっている事柄にも別の機会で触れたいと思います。
同業の方からのご意見、ご指摘などもいただければ幸いです。 塚本キンジュウ