種類1 うねるクセ毛 (波状毛) = ねじれ、うねり
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毛包内で生成された毛幹が髪が伸びる方向に対して広角度に回転(横方向に回る)しながら伸びます。組成そのものは直毛と同程度の均一性があるため髪の表面はツヤやかな場合が多いようです。
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うねるクセ毛対処方法 克服率10~30%
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食事
毛髪の構成成分を補えるための採食を心がける。 参照
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タッチ
日常におけるセルフタッチを改善(調整)する。
- 入浴後のドライイング タオルドライの後、椿油・ホホバオイル・オリーブ・など良質なオイルを髪と地肌に付ける。
- ドライヤーは低温で使用、できればブラシドライヤーでテンションを利かせながら、根元をなじませるような感じで乾かす。
- なにげない日常の中での髪の指通しの時、いつも同じところから指が入り同じ毛根にくせを付けている事があるのでその癖を見つけ改善する。(家族に聴いたり美容師に相談するとよい)
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ヘアスタイル・アレンジ
高湿度によって強く出るクセもあり、乾燥することで出るクセもあるため、美容師に相談して、クセが強く出そうな時期に(雨の日が最適)相応のスタイルを探してもらう。例としてパーマのあるスタイルやショートスタイル、またはクリップやバレッタでまとめるスタイルなど。
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種類2 縮れたクセ毛 (連球毛)(縮毛) = チリチリ、ザラザラ、ごわごわ
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髪が伸びる方向に対して急角度で回転しながら伸びます。この時に毛包内で生成される(伸びる)速度が均等でない場合、新生毛の内部密度に偏りが生じ毛幹そのものが不規則に変形します。表面のキューティクルも均一性はありません。互いの髪同士がまとまりにくく一本一本の髪が独立して存在しますからヘアスタイル自体がふくらみ易くなります。非常にまとまり難い髪質です。
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縮れたクセ毛(縮毛)対処方法 克服率10~30%
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食事
バランスのとれた採食を心がける。充分な睡眠時間を確保する。
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タッチ
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日常におけるセルフタッチを増やして髪に低刺激の頻度を増す。
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地肌をマッサージして毛根を適度に刺激する。多くの毛根に正常な発毛を促す。
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入浴後のドライイング タオルドライの後椿油・オリーブ・ホホバなど良質なオイルを髪と地肌に届ける。
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ドライヤーは低温で使用、できればブラシドライヤーであまりテンションはかけず、ブラシの通りが軽くなるまで少しづつオイルを足しながら乾かす。
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ヘアスタイル
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指を通すことのできるヘアスタイルにする。この髪質の方々には自身の髪の感触を嫌う方が多く見受けられます。髪は普段触っていれば柔らかくなる傾向があります。髪に触れる機会を多く作ってください。
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毛先のみパーマを利かせたスタイルにする。膨らみやすい髪質を利用してある程度の長さをもたせ、毛先に大きめのカールのパーマをかけます。このスタイルで毛先に指を通す機会を多くすることに繋がります。
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種類3 カールするクセ毛(捻転毛) = クリクリ、クルクル
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毛包内で生成された毛幹が毛根(表皮内)から体表への伸長過程で一定の変形を受けます。変形させるメカニズムは様々です。捻転のみの場合は毛髪の組成と構造は比較的均等に生成されていて、ある程度のまとまりが得られます。毛包内で生成された毛幹が髪が伸びる方向に対して広角度に回転(横方向に回る)しながら伸びます。組成そのものは直毛と同程度の均一性があるため髪の表面はツヤやかな場合が多いようです。
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カールするクセ毛対処方法 克服率5~15%
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食事
毛髪の構成成分を補えるための採食を心がける。
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タッチ
日常におけるセルフタッチを改善(調整)する。
- 入浴後のドライイング タオルドライの後 椿油・オリーブ・ホホバなど良質なオイルを髪と地肌に付ける。
- ドライヤーは低温で使用、できればブラシドライヤーでテンションを利かせながら、根元をなじませるような感じで乾かす。
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ヘアスタイル
湿度の影響を強く受けるため、カールのサイクルを見究めたヘアスタイルに変える。
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くせ毛の原因と改善の可能性
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上記3つのクセ毛はいずれも、表皮内の毛包での生成時から体表面に伸長するまでの間に『形成』しています。このことからも、これらクセ毛の原因が細胞生成レベルの問題であることがわかります。ロングヘア・髪を伸ばすのページで解説している通り、採食・睡眠・笑顔・刺激・などの方法を駆使して髪が生まれる段階での改善策が功を奏するのではないでしょうか。髪を伸ばすための要素を参考に記します。
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要素-1: 髪の毛の構成成分を毎日の食生活の中で充分にとり続ける。
→採食
要素-2: 髪を成長させるためのホルモン分泌を促進させる。
→採食・睡眠・笑顔
要素-3: 髪と地肌に適度な刺激を与える。
→刺激
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要素1~3すべてが毎日の生活の中で行われている(行うことが可能な)ことばかりです。クセ毛をコントロールできる可能性はここにあります。
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髪の組織と組成
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毛幹
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体表に出ている部分
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毛髄 (メディュラ)
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毛皮質(コルテックス)
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毛小皮(キューティクル)
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エピキューティクル
エキゾキューティクル
エンドキューティクル
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毛根
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表皮内側の部分
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角化帯
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毛幹
内毛根鞘細胞
外毛根鞘細胞
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細胞分裂帯 毛乳頭
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毛乳頭細胞
色素形成細胞
毛母細胞
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毛細胞の生成と構成
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毛根部分/毛包内/毛乳頭 ----- 毛乳頭細胞の分裂により生成される。
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毛細胞の構成
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99%はケラチンというたんぱく質で構成されている。このケラチンを構成するタンパク質メチオニン(アミノ酸)は採食によってのみ合成される。
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毛細胞の形成
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髪の毛は85~90%が毛皮質で成り立ち、2種類のタンパク繊維 O-コルテックス(軟質) P-コルテックス(硬質)からなる。O-コルテックスとP-コルテックスはそれぞれ保湿量が異なるため配列分布(コルテックスバランス)の偏り(拡散/密集など)が毛髪の形状に大きく影響する。
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直毛 = 異なる性質と形状の無数のコルテックスが均一の速度で、一定の方向に成長すれば直毛になる
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波状毛 = 異なる性質と形状の無数のコルテックスが均一の速度で、一定の方角に成長すればなめらかなカーリーになる。
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捻転毛 = 異なる性質と形状の無数のコルテックスが不規則な速度で、方向が定まらない偏った成長を続ければ縮れたクセ毛になる
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コルテックスの偏りを均一化できるのか
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髪の毛が2種類の異なる性質をもつコルテックスによって構成され、その生成過程で異なる形状に成毛化されていることは分かった。では、この偏りを少なくすることは可能だろうか。また、生成され形成された毛髪のコルテックスの偏りを均一化することはできるのか。
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生成過程での均一化
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要素1と要素2参照 ・・・・ 食生活の改善と睡眠方法の改善(または構築)により均一の可能性ゼロではない。
形成後の均一化
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要素3参照 ・・・・ 薬品、外的圧力などによる毛髪内組織への刺激をコントロールできれば均一化できる。 パーマやブロウもこの一種であるが、毛髪内部の組織を一時的に置換えるだけなので短期間で元の状態に戻ってしまう。
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くせ毛の原因
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先天的原因
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遺伝子の影響
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毛根の変形
後天的原因
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ダイエットや病気など、生体に必要な栄養素の摂取不良が引き起こすホルモンバランスの崩れが結果として毛髪内のコルテックスバランスの偏りを起こす。
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成長・加齢によるホルモンバランスの変換が毛髪内のコルテックスバランスの偏りを起こす。
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クセ毛は誤解されている
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誤解―1 クセ毛はツヤがない
表面の凹凸が光を乱反射してツヤが出にくいために、滑らかなツヤを認知できなくなっている。透明のガラスであるキューティクルへの損傷は光を反射する方向を拡散してしまう場合が多い。
誤解―2 クセ毛は硬い
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くせ毛表面の形状にザラザラ感、ゴワゴワ感があり、直毛に比べ滑らかなしなりが感じないために固く感じる 。
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くせ毛自体がねじれて生えてくるため一本の髪がしなる方向に偏りが多い。
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この事から指通りの悪さと扱い難さから固く感じる場合が多い。
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クセ毛は直毛よりも負荷を受けやすい
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負荷―1 毛髪同士の摩擦、毛髪と衣類による摩擦、ブラッシング時の摩擦
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負荷―2 摩擦による帯電の機会が多く電子を放出しきれない。
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負荷―3 薬品処理されることが多い (ツヤ感や手触り感を求めて)
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負荷-4 過度なブラッシングやブロウ・アイロンなどでの過加熱による負荷。
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今後の課題・観点
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疑問点-1
クセ毛と年齢との因果関係を把握することで、個人の毛髪の変換を予測できないか。
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観点1-A 未成年期 ~ 成人 ~ 出産前後 ~ 更年期以降
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観点1-B クセ毛用ヘアケア商品に含まれる有効成分
疑問点-2
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通常の生活レベルでの対応方法を構築することはできるか。
- 観点2-A クセ毛用ヘアケア商品に含まれる有効成分
疑問点-3
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縮毛矯正からの脱却はできるのか。 (縮毛矯正後にも毛先へのパーマがかけられるなど恒久的なヘアケアをさす)
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